鈍色 暗号

愛へと 昇る... 愛へと 成る。

毛は全然剃れないくせに肌は簡単に切れちゃうこの剃刀なんなの痛えよ

長い1週間だった。超絶優秀な先輩が会社を去ることになり、私(無能)が後を継ぐことになった。引き継ぎ期間はたったの2週間。その内の1週間が終わってしまった。そういう意味では、長く感じたこの1週間は、実はとても短いものだったのだ。しかも今週は月初。既に抱えている自分の業務をこなさなければならなかったために、引き継ぎの時間はろくに取れなかった。でもその短い時間でも、先輩がいかに優秀であるかは充分すぎるほど理解できたし、逆に自分の無能さがはっきりと浮かび上がってしまった。情けないという気持ちと、これからに対する不安と危機感に震えた。短時間のうちに、先輩が多く口にしたワードがあった。「バカ」だ。バカみたいな仕事だよね、バカみたいな作り(の資料)だよね、バカらしいよね...などなど。「私もそう思います」と同調できることもあったけど、これは私に対しても向けられているのだ、と自戒もしていた。無能なお前が言うなという話かもしれないけど、うちは保育園みたいだな、と思うことがよくある。幼稚園のような規律もなければ品もなく(品がないのは私が通っていたところだけかもしれないけど)、園児たちは事あるごとに「せんせー」と泣きついてくる。違いは保育園にいるのは幼い子供で将来も伸びしろもあるけど、こちらはいい年したおっさんおばさん連中で将来も伸びしろもないという。ああ、なんて救いがない。とにかく自分の仕事をしない人間が多すぎるんだ。人の仕事までやれなんて言ってない、ただ自分の仕事さえきっちりやってくれればそれで良いんだ。でも奴らはしないし、できないし、それを恥じることもない。「厚顔無恥」という言葉はこいつらの為に誂えられたのではないかと思ってしまうほどに酷いものである。私達は日頃、「バカにでも分かるような資料を作る」ことに多くの力を注がされている。もちろん資料は分かりやすいものでなければいけないけれど、本当にどうにかしなければならないのは資料を理解できない人間達の方なんじゃないのかと。でも残念ながら、うちにはそういう考え方がない。優秀な人の仕事はお守り、お世話係...とにかく仕事をしないできない連中のために優秀な人がこき使われ雑に扱われ、酷く消耗させられている。先輩が会社を去る理由は「見限った」という言葉がぴったりだと思う。会社や上司は人員減だ人手不足だと騒いでいるけれど、事実そうなんだけれど、そうとしか捉えられないというのはかなりマズイんじゃないかと思う。自分達が「見限られた」ことに気付いて、恥じて、焦るべきだと思う。優秀な人を留めておくことができない会社も上司も同僚も、本当に「バカ」だと思う。今回、そんな風に心底失望した。もちろん、自分自身にも。こいつらと同じにはなるまい、と思った。

これからしばらくの間、私は既に受け持っている仕事はそのままに(無能だから既に飽和状態なんだけど)、優秀な先輩の仕事もやっていかなければならない。破綻している、と思うし、まともな状態でいられる自信がないし不安で仕方がない。「勝負の年だね」と言われたけど、こんなバカな勝負があるかとも思う。でもとにかく、やっていくしかない。でも「いや、仕事増やされてるのに給料増えてないんだから、頑張りませんよ?」くらいの気持ちでいようと思う。どうせ否応無しに頑張らなければならなくなるから、きっとそれくらいがちょうど良い。ただ、残り1週間は先輩からできるだけ多くを学ばねば、と遮二無二頑張る他なさそうだけど。

とにかく、ようやく1週間が終わった。大袈裟かもしれないけど、自分を褒めて労ってあげようと思う。大袈裟かもしれないけど、そういうのはきっと大事だ。美味しいもの食べたり(ああ、お寿司食べたい)、たくさん寝たり...それから明日は彼に会える。それが1番のご褒美だ!

 

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