鈍色 暗号

愛へと 昇る... 愛へと 成る。

人は2ヶ月でどこまで綺麗になれるのか

日曜日の昼下がり。休日らしい穏やかな時間が流れるリビングの中でひとり、今にも緊張に飲み込まれそうな、「穏やか」とは無縁の私がいた。私は昨日、既にしくじっている。話を切り出そう切り出そうとしているうちに、何の合図もなく団欒の時間は各自の自由時間へと移行してしまった。そういえば、私が休日に家にいることは珍しいし、家にいても昼食を済ませた後はさっさと自室に引っ込んでしまう。これではタイミングなど分かるはずがない。しかし私は昨日、家族が揃った昼下がりのリビングを経験した。失敗したけど。昨日のたった1度だけど...いやいやそんなこと言ってる場合ではない。躊躇している間に、父が席を立った。「あの...!」少し声が上ずったか。ボリュームを間違えたか。いや、そんなことはどうでも良い。言葉を続けなければ...「紹介したい人がいます。お時間、いただけませんでしょうか」言った。きちんと目を見て、言えた...!父は一瞬戸惑いの表情を見せた。きっと青天の霹靂だったに違いない。それでもすぐに気を取り直した父は一言、「良いですよ」と言った。フラットなトーンだった。タバコを吸いに換気扇の下へ行きつつ、「良かったね。孤独死しなくて良くなって」とも言った。母は、「これで安心して死ねるね」と父に言った。死ぬことばっかか、と思ったけど、どれも正しかったので黙っておいた。というか返す言葉が見つからなかった。というかというか、ちゃんと言えたことに安堵して、それ以上言葉が出てこなかったのだと思う。目はチカチカしていたし、背中は汗びっしょりだった。落ち着け交感神経。場所は近場の喫茶店が良い、ということだったのでいくつかピックアップした。そのうち一つはホットケーキが評判のお店で、なかなか良さそうだったので今度ホットケーキを食b...偵察に行ってみようと思う。問題なければ予約をして、日付が近くなったら彼と1度訪れておこうと思う。ただでさえ緊張するイベント、初めての場所なら尚更緊張してしまうだろう。お店の雰囲気を見知っておくだけでも幾分マシになるのではなかろうか。と思った次第。

彼に報告をすると、「お疲れさま」「かなり勇気が必要だったろうに」と労いの言葉をくれた。こういうところが大好きだ。相当に疲弊していたし、間違いなくかなりの勇気を要したので、この気遣いはかなり効いた。

8月に彼の紹介が済んだら、次は私の番。9月くらいになるのかな。あと2ヶ月。初対面で「えぇ...」と思われるのが怖すぎるし彼に申し訳なさすぎるので、少しでもマシな見てくれになるように悪足掻きしていこうと思う。痩せて、化粧やファッションや所作を研究して...付け焼き刃でどうにかなるものではないけれど、少しでもマシになるように。頑張る。

 

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